遮光器をご存知でしょうか?
知ってる人は知っている、知らない人は全く知らない。
その名も「遮光器」
遮光器土偶の名付けの由来にもなっている遮光器ですが、、、
なんだか、とっても気になる!着用してみたいなぁ〜
遮光器(しゃこうき)は、北極圏に暮らすエスキモーが雪目を防ぐために伝統的に使用してきたゴーグル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
と思っていた所、思いがけず入手する機会に恵まれました。入手をきっかけに再度考察してみると、
遮光器には筆者を惑わす「私の個人的ななルーツと・この道具の原始的な背景がある」という事が分かりました。
東京から北海道に移住しアイヌや北方民族の服装史を探る筆者が、北方民族の古来のサングラス、
「遮光器」
の魅力を深掘りする今回は、、
・メガネやサングラスに興味のある方
・ウィンタースポーツ用ゴーグルをお探しの方から
・アンティーク収集癖のある方まで
サングラス探しの参考に、はたまた今後の骨董市でのバイイングの参考にでもなれば幸いです。
それは人類最古のサングラス
イヌイットやエスキモーら、北極圏に生きる人々が目の雪焼け(雪眼炎)を防ぐためにサングラスやゴーグルといった概念もない、4000年以上前から使っているとされるのがこの、、
遮光器です。
ぱっと見なんだか分かりません。
顔にきつく押しつけて装着するため、光はスリットからだけ入ることになり、太陽光と雪の反射の強い紫外線による雪眼炎から目を保護することができます。
このスリットから見ることでより「ものが見やすくなる」という利点もあります。なんでこんな事、気づいたんだろ?痺れる〜
骨で出来ていて、ワンオフ
北極圏で広く用いられてきた遮光器は流木や、セイウチの牙、カリブーの角、骨、時には海藻などが原材料となります。
いずれも顔にぴったりフィットするように削られ、真ん中に細く水平なスリットが開けられます。場合によっては内側にススが塗りつけられることもありました。
これが流木で作られた遮光器です〜↓
出店:VINTAGE EVERYDAY
こちらが今回入手した遮光器↓
素材はカリブーの骨 or セイウチの牙などの「骨系」と思われます。
湾曲した表面
こちらが裏面
この形状は完全にハンドメイド!
持ち主だけのために作られた、完全にオーダーメイド!痺れる〜
遮光器土偶の語源
遮光器と言えば日本人なら縄文晩期の東北地方に見られる遮光器土偶が真っ先に思い浮かびます。
遮光器土偶の名前の由来はこの遮光器を着用した北方民族に似ているとして付けられたものです!
遮光器土偶 (しゃこうきどぐう)は、縄文時代につくられた土偶の一タイプ。一般に「土偶」といえばこの型のものが連想されるほど有名な型である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
目にあたる部分がイヌイットやエスキモーが雪中行動する際に着用する遮光器(スノーゴーグル)のような形をしていることからこの名称がつけられた。
実際は遮光器を付けた姿の表現ではなく、目の誇張表現と考えられてます。土偶の方が年代が古いのです。へ〜
もしかして、これのルーツ?
なんでこんなに遮光器が気になるのか、、古代のものなのにどこかスペーシー、、この感じ、、どこかで見たような、、?
!?思い出しました。インベーダーサングラスだっ!
パンクファッションでお馴染み?!かどうかは分かりませんが、その筋の人には懐かしいインベーダーサングラス。
着用しても全く前の見えないこのサングラスに筆者は若かりし頃、強烈に魅了されていました。
改めてみると遮光器と似てる!
遮光器をデザインベースにしたのかは全く情報ありませんが、すごく似ています。
「インベーダー」の名の通り、すごく未来的。4000年前からある遮光器との共通点も見逃せません。
結論
遮光器の原始的なルーツと、筆者の個人的なルーツが合致していてより魅了されている。
まだサングラスもない時代から使われてきた、人類最古のサングラス(スノーゴーグル)が遮光器でした。
遮光器にこんなに筆者が魅了されるのは
・原始的な素材、作り方
・極限まで削ぎ落とされたデザイン
・自分のルーツに近いものを感じるルックス
にあることが分かりました。
ちなみにこの遮光器、日本では北海道でも出土しておらず、アイヌ民族も着用はしてませんでした。
よって現在日本で取引されているもの、流通に乗るものはすべて北方圏より流れてきたものという事になります。
う〜んロマンがあるっ!遮光器〜
実際に外で着用できるようにカスタム、、革バンドの長さ調整用に鹿骨を削り出し、準備万端。 よし、着用して夜のクラブでこれは目立つぞ〜と意気揚々と繰り出そうとした所、、 「視界が狭すぎて夜は前が全然見えない!」 暗い所では着用できないことがよくわかりました。次回は雪上でトライしてみます。
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