陶磁器を焼く窯(かま)のある場所のことです。
昔から奥が深すぎる事を知っていたので「やきものだけには手を出すまい」と決めていたのですが、好奇心を抑えられませんでした。
日本人とやきものの関わりは縄文時代にさかのぼり、食糧の保存や調理などの生活用具や祭礼用具など、人間の営みに必要不可欠なものとしてさまざまな文化を深めてきました。
陶磁器=瀬戸物(せともの)という位、そもそもは西が発祥のやきもの。
出典 日本セラミックス協会HPより
産地として有名な、瀬戸、常滑(とこなめ)、越前、信楽、丹波、備前の6つの古い窯は、平安時代後期から鎌倉・室町時代の中世に生み出され、現代までやきものづくりが続いていることから「六古窯(ろっこよう)」と称されます。
2017年春、日本遺産に認定されています。
その他にも栃木県芳賀郡「益子焼」、九州の「伊万里焼」「有田焼」「唐津焼」「波佐見焼」など古来から続く有名産地は日本の西に多いのです。
調べても焼き物産地に北海道は出てきません。
北海道の歴史は新しいので、そりゃそんなに古くから続く産地や窯元はありません。しかし、ありました。
1946年、「北海道岩見沢」の地に、開窯した、『こぶ志焼』です。
全国の産地に比べ、圧倒的に後発。歴史ある窯は平安時代後期(西暦794年〜)からやっています。要するに、歴史ある窯より1200年位新しい。最新式の窯という理解でよろしいでしょうか?
やはり、体感が大事ということで突撃してみます。
こぶ志焼のポイント
最新式の窯元であるこぶ志窯を代表するのは釉薬(色を出す塗り薬)の「海鼠釉なまこゆう」や「辰砂釉しんしゃゆう」です。
うん、色合いが美しい。表面感も良く形状も良い。
この辰砂釉しんしゃゆう/のマグなんかパンクを感じます。激しい。良い感じ。
このスープカレー椀なんかまさに北海道の窯元らしく、非常に特徴的。かつ生活に密着したスタイル。好きです。
陳列で気になることが、、
ものは良いのに見せ方がもったいない。背景や陳列方法がもっと良ければ、、
もう少し気を遣えばもっと素敵に見えるはず。やらしてくれないかな。
・器の表面に値札貼らなくて良い。
・陳列にストーリーがあるともっと良く見える
・什器やディスプレイ、視覚に入るものにもっと統一感があった方が良い。
新しい窯といっても80年以上の歴史があるので新しく見えるモダンさと歴史をMIXして見せてあげたらもっと良く見えると思いますが、人のこと言えないのですが作る方に一生懸命になっちゃいますよね。職人ですから。
少し見せ方がもったいなかったですが、、ものは面白い!
結論
北海道の窯元「こぶ志焼」は新しいやきものに挑戦している
やきものだけには手を出すまいと思って生きて来たので筆者もあまり詳しくはないのですが、鮮やかな色使いや北海道らしいものづくりはこの土地らしさ、オリジナリティを表現しようともがいている作者の気概を感じました。
やはり飲食店経営のお客さんが多いのかお店の人に聞いたところ、飲食店で使うには少し単価が高いそうです。
※使用頻度が高いので欠けや傷などの買い替えが多い。でも単価が高いので継続して使いずらい。
ここも洋服と一緒で国内生産量産品と一般層に需要のある価格帯が乖離している問題を感じました。
ついに「やきもの」の世界にまで足を踏み入れてしまいました。毎回、自分の枠が広がると見える景色が変わります。若い頃は全く興味のなかった故郷の街が強烈な郷土民藝の街だった興奮。 日々自分の小さい枠をぶち壊すべく外に出ていきます。
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