寒冷地 永遠に道路工事が終わらない理由

寒冷地生活スタイル

ずっと道路工事してます。

冬場の最強靴を開発するために路面状況を常にウォッチしています。そうすると気づいた事がありました。寒冷地はずっと道路工事しています。

・冬は道路の除雪・排雪作業(これも工事と言って良いと思います。通行止めとかにもなりますし)

・他のシーズンは道路の補修作業

路地を通行止めにして1日中行う様子


観察しているとそこら中で1年中、道路工事しています。冬は分かります。除雪、排雪をしないと車が通行できません。

非常に大事な工事になりますが、なぜ他のシーズンも工事が多いのでしょうか?

冬道路のダメージを他のシーズンで補修している

道路保守整備会社に勤務する友人にヒアリングしたところ、冬に降雪で道路は大きなダメージを受けてそれを他のシーズンで直すを繰り返しているそうです。

なぜそんなに冬にダメージを受けるのか?雪が圧雪されているのでそれがクッションとなり、道路自体にダメージは少なそうだが、、?と考えていましたが全然違いました。

冬に道路がダメージを受ける理由としては

・重量級の排雪用ダンプや除雪用重機の往来による重みでの劣化

・溶け出した雪がアスファルトに染みて再度凍ると路面が膨張して割れる、雪での劣化

・重機で凍った路面を削る際にアスファルト面にも同時にダメージを受ける、物理的ダメージによる劣化

こんなのでガリガリしたら、そりゃあ傷みますよね。

なるほど、寒冷地は毎年必ず雪は降るので永遠に工事を繰り返す仕組みになっている」という事ですね。

これは、食いっぱぐれない!コロナだろうと何だろうと「公共事業」として北海道&札幌市で予算持っている事業です。寒冷地で道路補修の建設会社やったら儲かりそうですね。

甘い

ちょっと考えただけですぐ分かります。参入障壁が高すぎる事は。

・そもそも専門職で何をするにも資格が必要

・公共事業なので実績のない会社に新規で振らないだろうし、仮に会社を起こしたとしても現状の下請け会社の中に割って入って行けないだろう。

・重機の設備投資、人間の確保のコストが恐ろしくかかる。

・仕事内容も当然キツい。除雪の工事は交通量の少ない21:00以降〜下手すりゃ朝方までやってます。
一番寒い時間帯です。当然夏暑く、冬寒い。体力の必要な仕事です。


また、白昼夢を見てしまいました。。。

結論

雪が降り続ける限り道路工事は永遠に続く

現場の皆さま、本日もご苦労様です。

この仕事は昨日今日始まったわけでは無い大変な仕事で、先人たちの努力の積み上げでこうなっているのがよく分かります。

市政を紐解くと、昔は馬ソリで道路に積もった雪を圧雪して道をつけ、人々もカンジキで踏み固めたり、スキーで通学していた様です。昭和に入るとトラクターが使われていました。

終戦直後の昭和20年の冬から、札幌市がアメリカ進駐軍施設周辺の除雪の指令を受けたのですが除雪専用車があるわけもなく、結局、進駐軍から機械を借りて作業したことが機械除雪のはじまりです。

出典 札幌開発建設部 昭和35年頃-歴史のひとこま2 ロータリー除雪車。昭和35年
居住していると良く聞くのが「家の前まだ除雪入ってないから道ヒドイわ」です。これ、冬の合言葉です。

また、日中の除雪作業による通行止めや渋滞も頻発し、「夜中にやれよ、日中やるなよ」これも良く聞きます。分かる。分かるんですが、作業員の方達を見ているとみんな必死でやってます。

非番でも雪が降ってきたら病院の先生ばりに呼び出しで氷点下の中、出動です。

「彼らの仕事だからやって当たり前」みたいな考え方、好きじゃないのでこのブログでは除雪、道路補修に係る方々を全面的に応援して行きます。

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