冬の北海道は大雪で非常に寒い。
疑問でした。冬こんな格好しててよく死ななかったな?と。昔だと-30℃にもなる北海道の冬をアイヌの人たちはどう生き抜いて来たのでしょうか?家も茅葺ですきま風も凄いだろうし。雪で埋まっちゃうし。
そこに寒冷地ファッションの解決策のヒントがありそうです。
ウポポイに行ってみた
白老町に2020年にOPENしたばかりのアイヌの歴史を体験できる最新施設に行ってみました。
そこで国立アイヌ民族博物館の学芸員の方に、
「アイヌの人って冬あんな格好で凍え死ななかったんですか?どうやって越冬してたんですか?」
と疑問をぶつけた所、下記の様な回答を頂きました。
・家の中が暖かいから大丈夫だったんですよ。
・服は何重にも重ね着してたから大丈夫だったんです。毛皮も着てますし。
・冬場に野外で活動するのは鹿やクマの狩猟をする男性だけ、女性と子供は備蓄があったので基本ずっと家にいたんですよ。
・靴にはワラなどを敷き詰めて暖かく、濡れない様にして履いていたんです。
との事。
マジすか?あんなすきま風ビュービューの住居に住んでいて?草とかで出来た服の上に毛皮着ただけで?シャケの靴履いて?(これはいつもでは無いと思う)ヒートテックも無いのに?
筆者でしたらとっくに霜焼けになってます。あ、もしかしてめんどくさい客になってますでしょうか。
全然納得出来ないので自分で調べる事にしました。
まず住居
家が謎です。絶対寒いはず。アイヌの人たちが住んでいた住居を「チセ」と言うのですが、外壁は木の皮とか笹でできています。
調べていたらやはりこの住居を研究していた人の資料を発見し、意外な事が分かりました。
・このチセの中で一年中火を焚いているので夏の間に地熱が土間に蓄積され、それが冬に放射熱になる。
・冬季の月平均気温がマイナス10℃の時に、地下5mには夏の熱が10℃になって蓄えられている。大地は、熱や冷熱を半年先まで持ち越す力を持っている。
・冬場はチセ全体が雪で覆われていてそれが断熱材代わりになる。(要はかまくら。かまくら意外と暖かいのは知ってました。)
雪が融けない程度の微弱継続薪燃焼をする事で地熱と一体となり暖かい!
感動的です。燃料が薪ですよ。まき。灯油が高いとか言ってる場合じゃ無いですね。住居が生活の知恵の結集で温かく保たれていたのが分かりました。
あ、学芸員の人の言ってた通りだ、、失礼しました。
そして服
いやでも流石に服は寒かったんじゃないのでしょうか?凍傷ギリギリの生活だったのでは?
色々調べてみたのですがアイヌの服装史の資料なんかどこにもありませんでした。
やっぱり着てみるしかない。
ウポポイでもこれ着れないか?聞いてみたのですが着れません。知り合いにアイヌ関係に強い方がいたので聞いてみたり、白老のアイヌ協会に電話したりしてみたのですが「実際に使用していたアイヌの冬服を着れる所は無い」との事。。はい終了。
結論
アイヌの冬服が寒く無い理由がよく分からない。
現時点で実際のアイヌの冬服を着れるところがなかったので寒くなかったのかどうかがよく分かりません。
重ね着してたと言われてもやはりかなり寒かったのでは?という疑念がはらせませんでした。
引き続き、アイヌの冬服を持っている個人、団体を探しながらこの疑問を調査していきます。
アイヌの人たちの生活は知恵や思想が集約され、美しいものが数多くあります。このシャケ革の靴も非常に興味あります。コードバンとか言ってる場合じゃ無いです。 持続可能な社会を推進するこれからの時代はシャケ革です。
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