老舗銭湯がどんどん廃業しています。
最近気になっている事があります。
お気に入りの銭湯施設が老朽化や経営者高齢化問題でどんどん廃業して行ってます。
筆者が札幌に移住してから4年間で知っているだけでも4施設が廃業などで無くなっております。すごいペースで街の銭湯文化の灯が消えようとしております。
※2020年現在、札幌市内に一般公衆浴場(大衆銭湯・サウナ風呂付き)は27店舗(厚生労働省のHPより)
このままでは筆者が入れるサウナ施設が激減してしまう、、この問題を放置すると、街の銭湯に未来は無いです。
廃業の原因を深掘りする
なんとなく、高齢化問題?後継者がいないからやめるのか?とぼんやり思っていた廃業の原因を深掘りします。
公衆浴場施設の推移
最新の統計データが平成29年度でしたので10年前と比較してみると確実に減少傾向です。
出典 厚生労働省HPより
施設の老朽化
現在札幌市内にある銭湯施設は最古のもので創業大正8年〜最新のもので昭和56年と市内にある全ての銭湯は創業40年以上経っています。また、ほとんどの銭湯が代替わりして2代目〜4代目という家族で経営してきた歴史があります。
調べてみると昭和30 年代〜50年代が銭湯の創業ブームで、当時の住居環境や炭鉱などへ労働者の流入で公衆浴場施設が必要とされていた歴史が分かります。
それに伴う修繕費用
そもそも施設が古いので修繕しながら運営している状態。調べた所「ボイラー」だけをとっても、寿命は15~20年。そのほかの設備も対応年数はそのくらい。
その周期で、200万くらいの設備投資が必要になる。ほかも加えれば、そんな額じゃなくなる。だから、ボイラーを直しても、いたちごっこが始まり延命するたびに、設備投資が必要になる。しかも結構な額。
燃料費の高騰
これは誰の目から見ても明らかだと思うのですが、維持コストが上がっていることは間違いないです。
客数減
これも明らかです。若い人はほとんどおらず、お年寄りと本職の方、あと自分。
1回の入浴料¥450(札幌公衆浴場商業協同組合加盟店の場合)で試算した場合
・1時間に10人お客さんが来たとして、¥4500/1時間(入らない銭湯はこんなに来ないので時間単価がもっと下がりますが)
・1日10時間営業したとして¥45000/1日
・1か月25日営業したとして¥1125000/1ヶ月
ここから人件費、修繕積み立て、燃料代、運営費、etcを引いていく、、なかなか厳しいですね。
※ちなみに銭湯の水道料金は実質無料で、さらに施設と土地の固定資産税はその3分の2が免除されています。
自治体から助成金も入っている様ですが、実際どの位のお金が流入しているかは分かりませんでした。
さつよく(札幌公衆浴場商業協同組合)に問い合わせてみた
なかなか運営は厳しそうだが、後継者問題で悩んでいる銭湯経営者からもしかしたら施設を借り上げ、家賃を払う形で事業を継承できれば内装をリニューアルしたり、新しいデザインを取り入れたりして
ネオ銭湯経営が出来るかも?
と思い、そんな経営者を紹介してもらえないか聞き取りする為、「さつよく」に電話で問い合わせしてみました。
考えが甘い
・さつよくに経営者から連絡が入る際は「もう事業をやめる」という決まった事の連絡のみ。
・廃業の相談なんかは一切ないので廃業を検討しているかどうかも分からない。
・後継者問題で悩んで廃業しているのでは無い。子供に相続するにしても相続税や運営のランニングコストを考えると代替わりしない方が良いと考えている。
・多くの銭湯経営者はそこに居住しているので廃業の際は「転居」しなければならない。転居費用どうする?となる。よって売却の選択肢しかない。
・上記の理由から、賃貸契約を結ぶ理由がない。大体の経営者は高齢で、先々の事を見越している時間が無い。
・創業時より地価はだいぶ上がっていて、相続で譲り受けた人がほとんどなので売った方が即お金になる。
要するに事業を継承するなら「土地、建物を全て買い上げる事が必要
結論
銭湯の廃業は個人の努力では止められない。存在しているうちに沢山行くのが吉
すいません、全く解決できませんでした。ボコボコです。完全に時代の流れは廃業の方向に向かっております。
個人でなく、事業として考えてもみたのですが初期投資とランニングコストがかかり過ぎて、回収まで見通せないので筆者レベルだと参入出来ません。
リスクが高過ぎました。少しでも延命するべく、足繁く通うことにします。
先日廃業した銭湯跡地がたまたま賃貸で出ていたのですが月の家賃が100万オーバーでした。初期リスク高すぎでした。 入れるサウナがどんどん無くなっていくなら自分で作るしかない。時間はかかりそうですがゼロから作る方向性も模索していきます。
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