お人形様?
福島県・船引町 筆者の実家からほど近いこの場所に「どエラいもの」があるとの情報を入手しました。
その名も、、
「屋形のお人形様」!
どどど〜ん!
な、なんじゃこりゃ!?福島出身だけど、まったく知りません。
先日東京の展覧会、「奇想民族博物館」展を訪れた際に発見した、屋形のお人形様。
要は道端の道祖神(地域の守り神的役割)なのですが、実物は一体どんな感じなのでしょうか、、?
東京での展覧会の様子はこちら↓
<番外編>日本各地で奇祭が開催されているのを知る。
札幌市在住でアイヌ、北方民族文化好きの筆者は、日頃からその周辺文化を深掘り&チェックしています。
そんな筆者が地元、福島県の「屋形のお人形様」に突撃するとそこには、、
この土地に根付いた風習と美的感覚がありました!
北海道を離れ、南東北・福島県に突撃する<番外編>の今回は、、
・祭り、御神輿好きの方
・水木しげる、妖怪好きの方から
・郷土民藝を愛する方まで
日本の郷土民藝デザイン考察の参考に、はたまた次の旅程の参考にでもなれば幸いです。
誰も来ない山奥に、、
田村市・船引町。ただでさえ行きづらい町のさらに奥、、山間の集落に屋形のお人形様はありました。
車じゃ無いと絶対無理だな〜ここに来るのは、、w
こんな小坂を登って、、
一応看板はある、、
もちろん車は通れませんし、、
公園のような場所を抜け、もっと登ると、、、あっ!上に、、!
じゃじゃーん!で、、でた〜!結構デカい!身の丈は4mあります。
なんでこんなデザインなんだろう?
圧巻のマスク、そして大きく手を伸ばしたポージング、、
威圧感あるな〜、、しかし、なんでこんなデザインになっているのでしょうか??w
怖いんだか、面白いんだか、、?あっ!歌舞伎かな??
手先まで精巧に編み立てられています。
アワワ、、手が抜け落ちてるぅう〜
そして手には包丁、、?ナマハゲ的な感じ?、、おそろしいっ!
脇には刀まで持っているし、、
「とおせんぼ」だった
じつはこのポージング、、
「とおせんぼ」ポーズでした!
ここから先には行かせませんっ!のポーズ
お人形様(おにんぎょうさま)
出典:田村市HP
魔除けの神様。
江戸時代に磐城街道沿いに悪病が流行したため、以後悪魔が村に入らないように魔よけとして立てられたといわれています。
身の丈4メートルになります。なぎなた、刀を持ち、両手を広げ、通せんぼのしぐさをしています。
顔は大鬼の形相で、外から悪いものが入ってこないように、にらみをきかせています。
なるほど、悪い病がこれ以上村に入り込まないように、この場所で戦っているのですね。
結論
お人形様は「魔除け」のデザイン思想で作られ、福島の集落を守っていた。
お人形様のすべての形状の理由は「魔除け」にありました。
【象徴的なのは】
・巨大でカラフルな怖い?顔(公式には大鬼の形相)
・手を大きく広げたとおせんぼのポージング
・刀やナギナタの装備
・街道が見渡せる高台に設置
そのすべてのデザインの理由は魔除けの為!まさに今で言うところののアマビエ!
現代にも通づる感覚もある、集落の守り神でした。
情報が無い時代に始まったであろう「お人形様」は当時の人が魔除けになるような神様を独自の解釈でデザインし、その様式が脈々と受け継がれているという、、
想像と文化の継承!
福島の山間には、まだそんなものが残っていました!
お人形様のような存在は全国各地に点在していまして、、
北海道だと二風谷集落を守る謎のバーニングマンもその仲間たちです。
過去記事はこちら↓
二風谷でバーニングマンフェスが?
道祖神はオリジナリティの強いものが多く、デザインが面白い!癖も強いっ!
今後も道祖神をチェックしていきます。
福島にはお人形様以外にも民間の性信仰から来る、道祖神も多数存在しています。 このシリーズも、、熱いっ! モロですw
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