道東の街 釧路
先日訪れた道東の街、「釧路:くしろ」人口約16万人の北海道の東の都市です。
筆者の認識では、、
有名な街だから、けっこう駅前がデザインされた都会なのかな〜?
デザイナーという仕事柄、そんな期待をしていたのですが、いざ訪れてみると駅前がズタボロ、、
なんだこりゃ!?なんでこんな事になっているのでしょうか?
ズタボロの理由は、どの地方都市にも当てはまる「産業の衰退と人口減」でした。その理由を深掘りする今回は、、
・釧路の駅前の行方に興味のある方
・旅行で釧路を訪れて驚いた方から
・地方都市のあり方を模索されている方まで
地方再生や個人の動き方の参考になれば幸いです。
駅前ズタボロ
釧路駅前を訪れて、驚きです。
な、、なんじゃこりゃ!?
駅舎が、、
・古い。
・広告看板は空きだらけ。
・外壁のレンガ調タイルもボロボロ
なんか垂れ幕も降りちゃって、、
本来看板があるはずのスペースも空きが、、この辺の主要駅ですよね?
駅前ビルが、、
・廃墟化
・放置されている。
駅の向かいその1 「テナント募集」も剥がれて、いつから貼ってあったのか、、?
駅の向かいその2 廃墟化しています。
宿泊、、安っす!
産業が衰退
地域産業の衰退が止まりません。
様々な規制、環境の変化で魚の水揚げがどんどん減っています。
近年の主な出来事
・2002年:太平洋炭礦が閉山(石炭)
・その後の漁獲量の減少に伴う水産業の低迷
・2021年の9月には日本製紙釧路工場が紙・パルプ事業から撤退
釧路市経済を支えてきた石炭、漁業、製紙といった基幹産業の衰退が続いています。
地域産業の衰退が地域の活力をどんどん削ぎ取っています。
人口が減少
産業=仕事が減っていくのでお父ちゃんが釧路で稼げず、街を出て仕事を探さねばなりません。
世帯で街を離れるケースも当然多くなりどんどん人口が減っていきます。
出典:釧路市HPより
釧路市の人口の変化
・2002年:20万人
・2023年:16万をきっています。(21年で4万人減少)
じりじり減っていっています。
鉄道の利用者が減少
人が減っているので当然、鉄道利用者も減ります。
また、車の普及により「1家に大人の人数分」車があることも普通になって来ました。
そりゃ利用者が増えるわけがありません。不便ですもの。。。
乗車人員の推移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
そんな理由で利用者減が止まりません。
結論
駅前再開発構想はあるが、お金が無いので30年前から棚上げ中。
人が減るから税収も当然減る。
↓
金が無いから都市をデザインする余裕なんてない。
↓
そして街の魅力がどんどんなくなり街から人が離れる。
無限ループに突入しています!
炭鉱の街と一緒の現象が釧路でも起きていました。これ、大都市圏以外の地方都市部すべてに言える問題ですね。
炭鉱の街の過去記事はこちら↓
廃墟の街 タイムスリップを感じる?都市デザインを紐解く
まさにこれが無限ループ!
そもそも釧路駅の南北は鉄道で分断されています。
このため鉄道を高架化し、その下に南側の北大通と北側の共栄新橋大通を結ぶ計画が1990年ごろ、人口増に伴う車の交通量対策として構想が生まれましたが、、
釧路市に、そんな金は無ぇ!ってことで棚上げになっていました。(220億円必要)
※ニュースソースはこちら
当然、乗車人員が減っているJR北海道もここへ再投資する余裕は無く、、しかし30年前から言っていていまだ実現できないのではその計画には無理があるのは明らかです。
誰もいなくなってしまう前に別のモデルケースを探る時期に来ているのではないのでしょうかね?
こんな地域経済の状態だと、JR北海道の廃線も止まりませんね。 それでは昭和62年の今でいうところの「マニュフェスト」をどうぞ〜 やっぱり言い切ることが大事なんですかね?
コメント