シルクスクリーンプリントとは?
誰しもが家に1枚は持っているプリントT-シャツ。そのプリント方法は様々ですが代表的なプリントの手法として「シルクスクリーンプリント」という方法があります。
今回はその「シルクスクリーンプリント」に自分でトライしてみたいと思います!
まず、(版:はん)と呼ばれる型を使ってプリントする方法には2種類。その違いはインクの種類によります。
<水性か油性か?>
・水性=アクリル絵の具の延長。水で洗浄可能で乾くと耐水性を持つ。
・油性=工業的で洗浄も溶剤を使わなければならず、本格的な工場(作業場)が必要になってきます。
油性はかなり前後の処理が面倒なので作業場所の確保が難しい場合は水性がおすすめです。
版型を作成する
まずは版型を作成します。この段階から自分で作る方法もあるのですが、工程が複雑&精度が求められるため筆者の場合、版の作成は「外注」します。
シルクスクリーン製版専門店 片桐写真型では、低価格でクオリティの高いシルクスクリーン製版を制作いたします。
出典:片桐写真型
本来「版」を作成する際は1デザインに1版(1データ)が基本なので1つの版では同じプリントの見え方しか出来ないものですが、
今回の版は「様々な状況で使い分けられる版」を目指します。そのためにやることは下記になります。
・版に出来るだけ無駄な隙間が無いように配置
・かといって柄と柄があまり近すぎない(干渉しやすくなる)
・同じパターンでもサイズ違いで配置すると後々使用しやすい
これらの考え方をもとにデータを配置し、版が完成しました。
サイズ違いのお魚ロゴ
道具を揃える
そして道具です。最低限必要なのがこれらです。
(左から)
・ヘラ
・バット(トレー、道具置き。代用可能)
・スキージ
このスキージでインクを伸ばしていきます。
また、プリントの際に使用する「プリント機」もあり、枚数を多く刷る場合は必要になってきますが数枚であれば使用しなくてもなんら問題はありません。
やたら大がかり。。
インクを購入する
水性インクを購入します。筆者はこのシリーズが好きで購入していますが、種類は多岐にわたるので
色々試すと特徴の違いがあります。
自分の好きな特徴(粘りや発色、乾きやすさ、生地への乗りやすさ)を探すのも楽しいです。
PC画面で分かりづらいですがネオンカラーです! 同時にマスキングテープも用意します。
マスキングする
「様々な状況で使い分けられる版」のため、今回やりたいプリントができるように、いらない部分をマスキングテープで塞ぎます。
この作業が不十分だとテープの隙間から下の穴(柄部分)にインクが漏れて製品がダメになります。
色を刷る
マスキングをし、必要な部分以外を目貼りしたらインクを置いて、ターゲットのボディの上に版をセットしスキージでこすっていきます。
シュ!っとイキます。1往復半くらいが筆者は好きです。
乾かす
1柄1色刷るたびに1度づつ乾燥させてから次の色を刷ります。この工程を抜くと乾いてないインクが様々な所に付着し、大惨事になります。
刷ったら→乾燥!→刷ったら→乾燥!
この繰り返しの動作が基本になります。
この動作を3回繰り返してこうなる
繰り返す(5と6の部分)
今回は3色使いを予定していますので、刷ったら→乾燥! の動作を9回繰り返します。
かなりのハードワーク。これが「様々な状況で使い分けられる版」の弱点です。
1デザインに1版だとこの動作は3回に軽減できます。
ヒートガンで乾かします。(ドライヤーでも代用できるかと思います。)
もうちょっと!ここまでで8回刷り、、
結論
めんどうくさい人は売り物を買ってください。楽しめる人はLet’sトライ!!
楽しいかどうか?は人によると思うのですが、モノ作り好きな人はきっと楽しめます。インクが付着したり、データいじったり、構図考えたり、ボディどうするか考えたり、、
考えることは多岐に渡りますが、面白そうだと思った方はレッツトライ!
自分で刷ると印刷やプリントに対する見方や好みがきっと変わります。
今回は自分のブランドのプリントスウェットを例に、シルクスクリーンプリントの手法を解説してみました。 インクの違いで表面感や着用感、経年変化なども変わってくるのでプリントの世界も中々奥が深いです。 水性のインクを好むのは扱いやすいのもあるのですが、溶剤で溶かしたり洗浄しなくて良いので環境にも優しいと言う側面もあります。 モノ作りは大量生産&工業と切っても切れない関係ですが出来るだけ環境に負荷はかけたく無いですね。
9回刷って出来ました!プリントは発色のいい蛍光色です。
出典:OVER STOREより
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