ゴールデンカムイを学校教育の教材にするべき理由

アイヌ

ゴールデンカムイ展へ

2022年4/28日(木)アイヌ民族漫画の金字塔、そして当時の生活様式を知れるバイブルともいうべき漫画、「ゴールデンカムイ」が完結しました。その連載完結記念展に突撃です。

改めて思う、これ北方民族の教材だろうと。「はだしのげん」レベルだろう?と。

・北方民族、アイヌ文化に触れる機会の多い北海道在住の方や

・日本に住むすべての国民の皆様に


「アイヌも和人も北方少数民族もロシア人」も登場する北方圏の歴史、文化を知る大きなきっかけになる!

学校で教材採用したほうがいい理由を深掘りします。

絵が美しい

まずはなんと言っても漫画の顔。「絵が美しい」です。

漫画でもよくある、「1巻と最終巻の絵のレベルが全然違う!?」っていうパターンではありません。

出典:ゴールデンカムイ公式サイトより

※作者の野田先生は1巻〜10巻くらいまで下手だから描き直したいと後に語っていますが、、w

この絵の美しさによって細かい描写や説明がより分かりやすくなっている事が分かります。

ようするに「みんなに分かりやすい」

ストーリーが面白い

明治末期の日本、北海道から海を渡り樺太までを舞台にアイヌから奪われた莫大な金塊をめぐり、勢力入り乱れての争奪戦が勃発した。

その出会い、別れを繰り返しながら金塊までの道を歩むストーリー(ざっくり言うと)です。

北海道、樺太を舞台に旅をしていくので地理を理解しているともっと面白いです。

なぜ面白いのか?

それは後述する項目すべてを足すと物語が細部まで練り上げられて

「ストーリーにリアリティが出てくる。」その為、ぐいぐい話に引き込まれていきます。

文化の落とし込みが面白い

当時の時代背景や生活環境の描写も非常に細かく、細部まで調べ尽くして描かれている事が分かります。

特にアイヌ文化への描写が細かく、非常に勉強になります。

描かれているアイヌ文化とは?

・登場人物の着用している着物、小道具、民具(実在しているものも多数)
・アイヌの食文化
・アイヌの生活(狩猟や採取)

これらを通して当時のアイヌの生活様式や思想がありありと分かります。

よりリアリティを出すために

作者の野田先生は作画にリアル感を出すため、

・高価な民具や軍服なども札幌の古美術店やアイヌ民芸店にオーダーして買い集めて資料にしていた。

・エゾシカ猟に行ってシカの脳みそ食べた。

・樺太まで行って、ロシア料理やニヴフ(民族)の方に料理を作ってもらって食べた。

・小指の骨を描くため手の骨格模型を買って解体して描いた。

タマサイ(アイヌの首飾り)も私物です。

ものすごく綿密な取材をもとに作画されていて驚きです。

野田先生も取材に訪れていた!過去記事はこちら↓
アイヌ民族は普段何を食べていたのか?

また、当時実在した日本の兵団や人物をモデルにしているケースも多数。登場人物のモデルの人物を追って行くと

筆者
筆者

これ、結構実在した人物に寄せて描かれているんだな〜

と言う事がわかって面白いです。ようするに深い。

出典:ゴールデンカムイ公式サイトより

脱獄王:白石のモデルは実在していました。↓

ちなみに主人公の杉本にもモデルがいると野田先生は語っています。

出典:ゴールデンカムイ公式サイトより

 杉元なんか特にそうで。モデルとなった ふなさか 弘さんを知っていたら、杉元の不死身っぷりを簡単に否定できないはずですよ。

※第2次世界大戦で戦った元帝国陸軍の軍人。激戦を生き残った。戦後、大規模書店「大盛堂書店」を開いたことで知られる。

出典:読売新聞オンライン

さまざまな少数民族が出てくる。

アイヌ民族だけにとどまらず、舞台は樺太へ。

樺太アイヌやウイルタ民族など他文化の生活や衣装なども非常に細かい描写で描かれています。

ものすごい取材量!読んでいると様々な学びがあります。

筆者が網走の北方民族博物館に突撃したレポートはこちら↓
北方民族が極寒でも生き残れた理由

北方民族の祭礼用の服がすごい理由

笑える。

緊張と緩和の融合が素晴らしく、ところどころに笑いどころも散りばめられています。

特に、風習や文化の違いを元にした笑いは強烈に面白いです。

このくだり強烈に好きなんですけど。。

結論

学校教材にするには、人が死ぬ描写が多すぎるかもしれない。

読んだことある方はよくご存知だと思うのですが、戦闘シーンも数多く出てきますのでリアルな描写やスピード感が持ち味な野田先生の表現方法として

「登場人物の怪我が痛々しく、血もたくさん流れ、最終的に人がバッタバタ死んでいく描写が多い」

ため、ちょっと学生には刺激が強く感じるかもしれません。教材が無理なら推薦図書にでもしてほしい!

もちろん、漫画ですので「フィクション」ですが、史実がふんだんに入ってますのでアイヌや北方民族の歴史や文化を知るきっかけとして最適と言えます。

若い人の中でそんな意識の人たちが増えてくるとどうなるか?

・民族、考え方の多様性を認められる社会になる。(元来、日本は単一民族ではない)

・環境破壊に対する意識の高い人間が増える。

・政治に対する見方が変わる。→投票率が上がる。

おぉ、現代社会に不足しがちの優しい日本になるのでは!?

まだ読んでない方は必読です。ゴールデンカムイ。関係者の皆様、改めまして無事ゴールインおめでとうございます。感動をありがとう。

はだしのゲンも教材削除される時代です。くさいものにふた。

先人達の苦難の歴史を知り、「今をどう生きるか」が現代社会では大事なのでは?

出典:yahooニュース

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