北海道では川登りした鮭を食べない理由

寒冷地の食べ物

そこは千歳

北海道に住んでいるからには一度は見てみたい。

鮭の川登り=遡上(そじょう)

札幌から車で約1時間、北海道の玄関口「新千歳空港」からほど近い千歳市に鮭の遡上が見れる施設

「サケのふるさと千歳水族館」があるという事で突撃しました。

道中、鮭の遡上について友人と話していたら驚きの事実が、、

筆者
筆者

鮭がバンバン遡上してきたら取り放題、食べ放題だね〜

友人
友人

?遡上した野生の鮭は普通食べないよ、、?

筆者
筆者

あれ?そうでしたっけ?なんで食べないの?こんないっぱいいるのに?

鮭の遡上を深掘りするとそこには

北海道移住した筆者が道産子の常識を知らず、北海道といえば誰もが思い浮かべるイメージの

「鮭の遡上」

を初めて考察する今回は、、

・鮭を咥えた木彫り熊のイメージが想像できる方

・イクラやサーモンが大好きな方から

・秋鮭って川に帰ってきたのを捕獲していると思ってる方まで

お寿司を食べる時の参考に、はたまた北海道旅のイメージを膨らませるお手伝いにでもなれば幸いです。

横を流れる千歳川では、、

千歳川では「人工孵化放流事業用の親サケを捕らえるため」の水車が設置されています。
(観光用ではない)

水車は水力で24時間回り続け、産卵のため遡上しようとするサケが、羽の部分に勝手に飛び込み捕獲され、自動的にカゴからイケスに落ちる仕組みになっています。

筆者
筆者

捕れるかどうかはサケ次第!

千歳川で24時間水車稼働中!

この水車に勝手に飛び込んでくる、鮭ファイター達。

千歳水族館からは川の中の様子が丸見え。
みなさん、一方に向かっている!(右側が水車方向:上流)

サケは産卵の時期になると、自分が生まれた川へ戻ってきます。〜中略〜

生まれた川は「におい」で判断しているらしいことが分かりました。しかし、においだけをたよりに何千㎞にもおよぶ大回遊をすることは当然不可能でしょう。

渡り鳥のように太陽や星の位置を利用している(太陽コンパス説)ともいわれますが、はっきりとしたことはまだわかっていません。サケの回遊は、いまだ多くのナゾに包まれているのです。

出典:千歳水族館より

だいたい3〜4年で生まれ故郷の川に帰ってくるのですが、どうやって元の川に戻って来てるのか、、?

よく分かってなくて不思議です。

筆者
筆者

そして海外留学後の鮭の顔つきが、ベーリング海で揉まれた顔しててウケます。

遡上した鮭を食べない理由は?

筆者
筆者

なんで、こんなにたくさんいるのに食べないのでしょう?

遡上した鮭を「秋鮭」だと思っていたらどうやら違うようです。

遡上した鮭:食べない理由

・食べられないわけではないが、味は落ちるとされている。

(産卵のために蓄えた鮭の栄養が、遡上で使い果たされてしまうため。特にメスの鮭は栄養分が卵に回るので、遡上する前もオスに比べて味は落ちるといわれている。)

・アニサキスやサナダムシなど寄生虫がいることが多いため生食では食べない

(元来、生食すると「あたる魚」とされ、先人たちも生では食べなかったようです。)

・産卵前の脂ののった旬の鮭を「秋味あきあじ」という。

・産卵後の鮭のことを北海道の方言で「ほっちゃれ」という。

遡上し産卵後の「ほっちゃれ」は、力尽きた後にキツネやカモメなどの餌になり、更に食べ残されたものは昆虫類に食べられることで、陸や川の栄養につながってました。

筆者
筆者

ほっちゃれも環境を豊かにするサイクルを生み出しているんですね〜無駄じゃ無い!

秋鮭はどこで捕るのか?

じゃあ秋鮭っていったいどこで捕っているのでしょう?

・市場に流通しているのは「海」で捕れたもの。(シロザケという:世間一般で言うサケ)

・定置網で、砂浜から肉眼で見えるくらいの所 or 沖合いで捕っている。

・トキシラズや紅鮭といった種類はもっともっと沖合いで捕る。

筆者
筆者

うん!全然川じゃないですねっ!

捕まる。

もう少し海の近くの河口の方に行ったら鮮度の良い秋鮭がバンバンゲット出来るのでは無いか?と考え調べてみました。

筆者
筆者

もしや、イクラを獲るなら海まで行かなくても捕れるのでは??

出典:北海道漁業調整規則について
筆者
筆者

うん!勝手に捕ってたらパクられるね。

結論

北海道民の間で遡上した鮭は美味しく無いのは常識。だから食べない。

鮭の遡上を実際に見に行ってみると色々な発見がありました。

・遡上している鮭を勝手に捕ると捕まる事

・遡上した鮭は秋鮭とは無関係で、そもそも味が落ちる事

・食卓で良く出る鮭は、「海のもの」だという事。

筆者
筆者

昔から当たり前の事、なにも知らないんですね、、、私。

鮭のことを調べていると、お寿司で生食で食べてるサーモンは、鮭ではなく

「人工的に作り出したニジマスの品種」だという事が判明して驚きました。

サーモン=鮭の日本語訳って、、ちょっと間違ってないか?と思ったのですが、なんと!

学術的には鮭とマスは同じ種類でした。

基本的に同じ種類であっても「河川に残る個体」と「海に降る個体」が発生する種も多く、サケ科においてはその区分さえも曖昧になるのが実情のようです。

サーモントラウト/ニジマスを海で養殖したもの。

もともと身色、味のいいニジマスを人工的に養殖用に改良したもの。成熟しないため、出荷調整が出来る。

国内でも養殖されているが、最大の生産地はチリ。海面養殖サケの主役の座をギンザケから奪う勢いがある。

生食の他に塩ザケ、酢じめなどの加工品としても大活躍している。


出典:ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑

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