札幌のど真ん中にある。
北海道、札幌在住で知らない人はいない、大通公園(おおどおりこうえん)。札幌中心部に横たわる都市型の公園です。
公園では1年を通して
・春はYOSAKOI・ソーラン祭りが開催
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・夏場はビールフェスティバルが開催
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・秋はオータムフェスが開催
・毎年2月は 雪像が立ちまくる雪まつりが開催
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札幌雪まつりで東京のビル売ってた話
1年中なにかしらのフェスが開催されている、観光名所でもある札幌中心部の名物公園です。
公園内の大通西8丁目に
大通公園内に堂々と鎮座する滑り台、昼は子供達がひっきりなしに滑っているこの滑り台が、、
ブラックスライドマントラ!です。
巻き貝状のデザインです。
裏面には88′ イサム・ノグチ氏のサインが!
マントラの入り口はこんな感じ。穴です。穴。
こちらの一見「子供用の遊具」な滑り台、ただの滑り台ではございません。
かの有名な彫刻家であり、アーティスト「イサム・ノグチ」氏がデザインした現代美術な滑り台です!
今日も、、、黒くて、、う、美しい!
この巻き貝状の滑り台を改めて考察すると「関わった人たちの熱量と時代の熱を感じる」事が分かりました。
イサム・ノグチ好きで香川やNYの美術館にも足を運んできた筆者が、「あ!一番近くにあるアートピース取り上げるの忘れてた!」という今回は、、
・札幌近郊に居住されている方
・札幌を観光で訪れる予定のある方から
・大通公園で子供をよく遊ばせている方まで
普段なんの気にも留めてない、日常にある強烈な札幌のアートに気づくキッカケになれば幸いです。
イサム・ノグチとは?
これを知らないと始まりません。地球を彫刻した男!
イサム・ノグチ | Isamu Noguchi
1904 ロサンゼルス-1988 ニューヨーク出典:イサム・ノグチ財団より
英文学者で詩人の野口米次郎と、作家レオニー・ギルモアとの間に生まれ、少年期は日本で育つ。
渡米した後、彫刻家 を志し、アジア・ヨーロッパを旅して見聞を広めた。パリでは彫刻家ブランクーシの助手をつとめる。ニューヨークに居を定め、肖像彫刻、舞台美術をへて環境彫刻やランドスケープ・デザインにまで幅広い活動を開始する。
戦後は日本でも陶器作品や、和紙を使った「あかり」のデザインなどを行う。
(〜中略〜)
その後、アメリカ国内外の各地で、彫刻、モニュメント、環境設計を続け、文字通り「地球を彫刻した男」と呼ばれる。1985年には、ニューヨークにイサム・ノグチ・ガーデン・ミュージアムを開館する。
ちなみに↓この辺のデザインもイサム・ノグチ氏の手がけたものです。
↓こちら、かの有名なAKARI(あかり)シリーズです。
マントラとは?
なんだろう?マントラって?
マントラの意味は?
・日本仏教において、真言と訳しているマントラ(Mantra)。そもそもは、サンスクリット語(古代インド・アーリア語)で「文字・言葉」を意味する言葉。
・真言は、仏や菩薩の教えが込められており、功徳があると考えられている。
要するに念仏的なありがたいお言葉!
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マントラとは呪文?効果は?日本語・サンスクリット語の意味を紹介
デザイン自体は?
・そんな「真言:マントラ」をデザインのベースとして考えられたのは、古代インドの天文台、「Jantar Mantar」
・本作の題名「ブラック・スライド・マントラ」は、この天文台にちなんで名付けられた。
From Wikipedia, the free encyclopedia
札幌という都市のど真ん中に鎮座する「真言」。ちょっと風水的な意味合いも感じますね。
坂が急である
実際滑ったら、滑り出しがメチャ傾斜付いてて焦ります。
「ブラック・スライド・マントラ」はストイックな傾斜のついた滑り台になってます。
これ、フラフラした乳幼児とかだとメクられて頭からイク危険もありますね。
赤ちゃんでも滑れるよ〜っていう現代のプラスチック製の優しい滑り台ではありませんのでご注意ください。石の角で怪我します!
この最初の部分が結構急坂です。慣れたら平気ですが。
道をつぶして作った
もう、なにが凄いって、これ、道つぶして作ってますから。
本来はここに道がありました。
現在は区画がつながった大きな広場になってます。
ノグチが札幌市の大通公園西8・9丁目に制作した「ブラック・スライド・マントラ」がある場所は、元は他の各丁目を区切る通りと同様に、大通公園を南北に横断する道路だった場所である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
ブラック・スライド・マントラは9丁目に既にあった幅広い石の滑り台(クジラ山)を撤去して設置される予定だったが、現地を視察したノグチは、子どもたちに親しまれているクジラ山をそのまま残し、空間全体のバランスを考えた上で、大通公園8丁目と9丁目とをつなぎ、その間の道路にあたる場所に設置することを主張した。
一見、無謀とも思える提案だったが、それでも札幌市は「子供らの遊び場に」(「ブラック・スライド・マントラ」は)「子どもに遊ばれて、完成する」というノグチの意思を尊重し、8丁目・9丁目間の道路をふさいで2丁にわたった公園とした。本作の所在地が大通公園西8丁目と9丁目にまたがっているのは、その名残である。
イサム・ノグチと行政が、がっちりタックを組んで街の区画を変えていました。まさに、、
地球を彫刻している!!
結論
イサムと札幌行政の熱量が「ただの滑り台じゃ無いブラック・スライド・マントラ」を作った。
道をつぶしたエピソードが感動的です。
イサム・ノグチのデザイン・思想も素晴らしいのですが、驚くのはその思想を汲み取った当時の札幌行政の関係者です。
ルールや予算、組織にがんじがらめの現代ではちょっと考えづらい、「滑り台を設置するために街の区画を変える」という行為。
アーティストの気概と、それをOKとする1980年代の時代の勢いを感じました。
初夏のある日、1人でブラック・スライド・マントラの上に行くと、、、!? この狭い通路にスーツを着たサラリーマンが横になって昼寝をしていました。 子供も仕事中のサラリーマンさえも、全てを吸い込む札幌の滑り台。それがブラック・スライド・マントラだっ!!w ウナギみたいに、ここに挟まって寝てた。スーツ姿で。衝撃X
そんな、ブラック・スライド・マントラをテーマにしたOVERの問題作はこちら↓
出典:OVER STOREより
袖にはマントラに吸い込まれるサラリーマンが!w
スペーシーUFO+マントラ!大地の記憶と公園の鳩までインクルーズ!
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