玉ねぎの皮で草木染めをする方法

デザインとアート

カレー屋さんの友達から提案を受けました。

昨日カレー屋さんの友達から、カレーを作るときに毎日大量に発生している「玉ねぎの皮」、染め物とかで利用できないかな〜??と提案を受けました。それは、草木染めですね! 

草木染めとは、 植物などの天然素材を煮出して作った染料で行う染物 のことです。

合成染料を使う染物と区別するために「草木染め」と呼びます。植物、土、野菜、果物など、草木染めで使う素材は非常に種類が豊富です。

そして葉から枝、花、根、皮といった全ての素材を使うことができます。

デニムも元々は「本藍」といってこの染め方の仲間だったのですが、大量に安定して生産させるために化学染料に変化していきました。

ま、そんな事はさておき、面白そうなのでトライしてみます。

まずは玉ねぎの皮を集めます。

まず、染める布の重量と同じ分の玉ねぎの皮を用意します。

今回は1枚約9gのガーゼハンカチを3枚染めるので、28gの皮を用意しました。

染料の素材をたくさん集めるのは大変ですが、こちとらカレー屋さんから提供をうけております。
(大量にあります。)

※基本玉ねぎは家庭で日常的に使うものなので1ヶ月もすると十分、量が貯まると思います。

染める布・必要な材料を用意する

染める布は、 綿・麻・絹などの天然素材 で出来ているものを選びます。(ポリエステルなど化学繊維は染まらないので要注意です。)

その他必要な材料はこちら。

  • 無調整豆乳
  • ミョウバン
  • 大きめの鍋
  • 染める布が入るボウル(鍋で代用可)
  • 洗濯ネット、または不織布の袋

ミョウバンはスーパーの塩のコーナーに売っていることが多いです。昔は薬屋にも置いてあった様なのですが、昨今の「ドラッグストア」にはあまり売れないので無い事も。

豆乳液に浸す

綺麗な色に染めるため、先に布にタンパク質を染み込ませる処理をしておきます。ここで豆乳の出番です。水で割った豆乳液に浸していきます。

豆乳を水で1:1に割ったものに染める布を30分ほど浸します。

綿や麻などの植物繊維でできた布は、この処理をすることでより濃い色に仕上がります。浸し終わったら、水で洗わずにそのまま絞って乾かします。

玉ねぎの皮から染料を作る

玉ねぎの皮を洗濯ネットに入れ、そのまま鍋に入れます。皮が全体的に浸るくらいの水を入れ、ふたをして中火で1時間半煮出します。(吹きこぼれるので途中で弱火に)

水が濃いオレンジ色に染まったら、洗濯ネットごと取り出して染料の完成です。火にかけておくだけ・洗濯ネットごと取り出すだけなので、とても簡単ですね。

染める布を煮る

布の下処理・染料・媒染液の用意ができたら、いよいよ染色です!

布を 40℃〜60℃に温めた染料に浸して20分ほど煮ていきます 。(調理用温度計があると便利です)

染めムラが出ないよう布は折り畳んで液に浸し、割り箸などを使って 混ぜながらまんべんなく煮る のがコツです。

温度が高いほど濃い色に染まるので、染めたい色に合わせて調整しましょう。乾くと少し薄くなるので、気持ち濃いめがちょうどいいです。

布が良い感じに染まったら、鍋から取り出して水で洗います。そして水に色がつかなくなるまでしっかり洗っていきます。

媒染液(ばいせんえき)を作る

次に、色を繊維に定着させるための媒染液(ばいせんえき)を作ります。

40℃程度のお湯1Lにミョウバン5gを溶かします。
※染めるものが大きい場合は、2Lでミョウバン10gの様に調整する

お湯なのでカクハンしてミョウバンを溶かします。

お湯の温度が高すぎるとミョウバンの効果が薄れてしまうので、お風呂の温度くらいを目安にして溶かします。

普通の湯沸かし器なら蛇口から出るお湯くらいの温度です。

余分な染料が落ちたら、媒染液に浸して30分放置します。ミョウバンの媒染液は少し明るめに仕上がります。浸けてすぐに色が明るめに変化していくのが分かります。

おぉ、、綺麗に染まってる!

30分経ったら取り出して水でしっかり洗います。水に色がつかなくなるまで洗ったら、水気を切って陰干し、乾いたら完成です。

染め分けの結果

今回は3枚の100%コットン、ガーゼハンカチをそれぞれ異なる工程で染めてみました。
(次回以降の色の目安として)



左側が豆乳の下処理なし、60℃ほどで20分煮出したもの で一番明るく染まりました。鮮やかなイエローがとても綺麗ですね。

真ん中は豆乳の下処理あり、40℃ほどで20分煮出したもの です。ちょうど中間くらいの黄色になりました。

右側は豆乳の下処理あり、60℃ほどで20分煮出したもの です。これが一番濃い色に仕上がっています。少しムラが出ましたが左の明るいイエローとは対照的に、ブラウン系の深みのある色が素敵です。

うーん、真ん中の出方が綺麗なので採用して、次回は製品を染めていきます。

結論

ねぎの皮ってすごく綺麗な黄色に染色できる。

今回たまたま友人から話を頂いた、「玉ねぎ染色」ですが綺麗に染めることができました。

染色してみて思ったのが、玉ねぎ染色の色ってカレーみたいな色(クミンの色ですね)に染まる事でした。カレー屋さんにピッタリの商品が出来そうな予感、、

この後に
・絞り染めでタイダイ風にしたり(煮て染めるから難しいか?)
・染めた上にプリントをしたり


しながら精度を高めていこうと思います。

完全に手作業の為、大量生産に全く向いていない手法ですが、染めムラや色のムラも味として捉えれば1着ごとにアジが感じられ、大切な1着が作れそうです。

いつも白T-シャツを着てカレーを食べて「失敗した!」という事がよくあるのですが、このカレー色のT-シャツならカレーが跳ねても平気です。カレーを食べるとき用T-shirtsうーん、良いかも。

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